1周期に2回採卵する Duo Stim  〜 卵巣機能の最大活用 、黄体期採卵は有効か?〜


 

こんにちは STORK TALKS です

今回はDuo Stim法について少し説明したいと思います。

 

この方法は

①年齢が40歳以上、

②卵巣刺激を行っても採卵数が3個以下、

③AMH値が1.1ng/ml以下

これらの3つの条件のうち

2つ以上当てはまる方に有効だと言われています。

 

ではどのような方法か端的に説明すると、

”1周期に2回採卵を行う方法”

です。

 

卵巣機能が低下してくると、

卵巣刺激を行っても採卵数が少なく、

またそれぞれの卵胞の育ち方にばらつきが出てしまいがちです。

 

今までは

大きさに関わらず

全ての卵胞を1回の採卵で採取していました。

 

そのため、

小さな卵胞からは卵が採取できなかったり、

未熟な卵が採取されて成熟するまで

培養室で育てなければいけないことが

しばしば起こっていました。

 

残念ながら未熟な卵が体外で成熟する確率は

体内よりも低いのが現状です。

 

Duo Stim法は

まず1回目の採卵で、

大きな卵胞だけから卵を採取し、

小さな卵胞は残しておきます。

次に1回目の採卵数日後から

再度卵巣刺激を開始し、

卵胞の発育を確認後、

再度採卵の計画を立てます。
 

 

つまりDuo Stimは

1回の周期で

少しでも多くの成熟卵子を

採取できる方法です。

 

この方法は2014年に初めて発表され、

中国、アメリカのわずかな研究者たちが

細々とデータを発表していたのですが、

今年になってから

ヨーロッパの複数の研究所が発表し、

どの研究者もDuoStimについて高評価を示したため、

世界中のクリニックが導入を試みています。

 

1回目に採卵した卵(FPS )と

2回目に採卵した卵(LPS)の状況は

下の表です。

 

 

これは、採卵数:1回目と2回目で大きな差はない

成熟卵数(率):1回目と2回目で大きな差はない

ということを示しています。

また、

受精率、

胚盤胞率、

着床前診断(PGT-A)で正常結果が出た胚の割合、

妊娠、出生率も

差が無かったことが報告されています。

 

Duo Stim法は

2014年に初めて発表され、

中国、アメリカのわずかな研究者たちが

細々とデータを発表していたのですが、

今年になってから

ヨーロッパの複数の研究所が発表し、

どの研究者もDuoStimについて高評価を示したため、

世界中のクリニックが導入を試みています。

 

 

首席卵胞(周期中に一番早く育った卵胞)だけに着目するのではなく、

採卵を2回行うことで、

その周期にできた小さな卵胞たちからも

質の高い卵を採取することができる

Duo Stim 法、

皆様も検討してみてはいかがでしょうか?