成長ホルモンって知っていますか?
よく知られている働きは
骨の成長、
筋肉の発達、
それから代謝機能
に関わっていることなのですが、
このホルモンは妊活にも深く関わってきます。
成長ホルモンが卵の周りを取り巻く細胞に働きかけることで
卵胞の発達、
卵子の成熟
を活発にします。
しかし、
成長ホルモンは加齢とともに低下してきます。
思春期前の値を100%とすると
成長ホルモンの分泌量は、
思春期後期で多くなり、
200%と2倍くらいになります。
その後はどんどん少なくなり、
30、40歳台では50%、
60歳では30%くらいになります。
この成長ホルモンを体内に補充することで
妊娠しやすくなるのではないかという
研究は1990年くらいから
細々と行われていたのですが、
最近になって
ヨーロッパを中心に多くの国々で再注目されています。
特に
年齢が40歳以上でAMH値が低い女性を対象とした研究で、
体外受精周期中にこの成長ホルモンを
FSH製剤などと同時に打つことで
採卵数や妊娠率が改善されているという
結果が報告されています。
中にはもちろん変化がなかったという報告もありますが、
改善されたという報告の方が多いような気がします。
成長ホルモンを投与することで
異常な遺伝情報を持った卵が
正常に改善されるということはないと思います。
しかし採卵数が多くなるということは、
正常な遺伝情報を持った卵が採取される機会が増えるので
妊娠する時期も早まるのではないでしょうか?
この成長ホルモンは注射で投与していますが、
Merck Serono社が販売しているSaizen
を使用することが多いようです。
投与方法は
採卵を行う前の周期から使用している場合や、
採卵周期だけの場合もあり、
クリニックによって異なるようです。
採卵までに
大体 60 IUくらい投与しているデータが多いですが、
アメリカでの価格は15 IUで600〜700USDのようです。
ということは
60 IUで
2400~2800 USD
になりますね。
採卵周期1回分よりは安いですが、
やっぱり高いですね。
では、
自分で成長ホルモンを少しでも増やす方法はないのでしょうか?
次回は自分で増やす成長ホルモンについてお話したいと思います。